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空き家にかかる税金、わかりやすく解説します

 

「実家が空き家になったけれど、そのままにして大丈夫かな?」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。特に近年は、相続やライフスタイルの変化で空き家を持つ人が増え、税金の負担が問題になるケースが多くなっています。

今回は、空き家にかかる代表的な税金について、できるだけわかりやすく整理してみました。将来の負担を軽くするためにも、知識をしっかり持っておきましょう。

1. 空き家にかかる主な税金とは?


空き家に関連する税金は、大きく分けて次の3つです。

固定資産税

都市計画税

相続税や譲渡所得税(売却や相続が関わる場合)

まずは毎年必ずかかる固定資産税と都市計画税から見ていきましょう。

 

2. 固定資産税の基本ルール

固定資産税は、土地や建物を所有している限り、毎年かかる税金です。市区町村が評価額を算出し、その1.4%(標準税率)が課税されます。

ここで大切なのが「住宅用地の特例」という制度です。住宅が建っている土地は、税額が最大で 6分の1まで軽減 される仕組みになっています。

しかし、建物を取り壊して更地にしてしまうと、この特例が使えなくなり、税金が一気に跳ね上がることがあります。

 

3. 空き家のまま放置するとどうなる?

「建物が残っていれば特例があるなら、そのまま放置しておけば安心」と思う方もいるかもしれません。

ただし、ここで注意したいのが「特定空き家」に指定されるリスクです。

倒壊の恐れがある

ごみや雑草で衛生上の問題がある

景観を損ねている

近隣の生活に悪影響がある

このような状態になると、市区町村から「特定空き家」に指定される可能性があります。

一度指定されると、先ほどの住宅用地の特例が外され、固定資産税が最大6倍近くに増えることも。さらに行政から改善命令が出される場合もあるので、放置はリスクが大きいといえます。

 

4. 都市計画税について

都市計画税は、都市計画区域内に土地や建物を持っている人に課される税金で、標準税率は0.3%。

こちらも住宅用地の特例で軽減されますが、固定資産税と同様、建物を取り壊すと軽減措置が外れるので要注意です。

 

5. 相続した空き家にかかる税金

近年よく相談が増えているのが「親から相続した空き家」にまつわる税金です。

相続税:相続人が複数いる場合、誰が負担するかでトラブルになりやすい

譲渡所得税:相続後に売却すると利益に課税される

ただし、ここで使えるのが「相続空き家の3000万円特別控除」。
一定の条件を満たせば、譲渡所得から最大3000万円を控除できるため、売却のハードルを下げる効果があります。

 

6. 最近のトレンド:税制改正や空き家対策

2023年以降、空き家対策として国や自治体の取り組みが加速しています。

特定空き家への指導が厳格化

相続登記の義務化(2024年4月からスタート)

空き家バンクなど、自治体主導での活用促進

「放置すると税金が増える」から「活用すれば税負担が軽くなる」へと流れが変わりつつあります。自治体によっては、解体やリフォームに補助金が出るケースもあるので、最新情報を確認するのがおすすめです。

 

7. 負担を減らすための選択肢

空き家を持っている人にとって、税金の負担を軽くするにはいくつか方法があります。

早めに売却する

賃貸にして収益化する

自治体の補助金を活用してリフォーム

空き家管理サービスを利用して「特定空き家」指定を防ぐ

いずれも「知らなかった」で損をしやすい部分です。少しでも不安があれば、専門家や自治体に相談してみましょう。

 

●まとめ

空き家にかかる税金は、

固定資産税と都市計画税が毎年かかる

「住宅用地の特例」で軽減されるが、特定空き家になると外れる

相続後の売却には「3000万円特別控除」が使える

といったポイントを押さえておくことが大切です。

「実家が空き家になってしまった」「相続したけれどどうすればいいかわからない」――そんなときは、まず現状を整理し、税金の仕組みを理解しておくことが第一歩。

ちょっとした知識が、将来の大きな安心につながります。