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空き家の火事はなぜ多い?予防のためにできること
「最近、近所の空き家で火事があったらしい」――そんなニュースを耳にしたことはありませんか?
実は、全国的に「空き家の火災件数」は年々増えていると言われています。人が住んでいないはずの家で、なぜ火事が起きるのでしょうか。そして、私たちにできる予防策とは何でしょうか。
この記事では、空き家の火災が多い理由と、今日からできる対策についてわかりやすく解説します。
●空き家の火事が多い理由
1. 人の目が届かないから
一番の理由は、管理する人が常にいないことです。
電気やガスを使っていなくても、タバコの投げ捨てや不審者による侵入、さらには放火など、外部からの要因で火がついてしまうことがあります。すぐに発見されないため、火が大きくなるリスクが高いのです。
2. 老朽化によるリスク
木造住宅は年数が経つほど乾燥しており、ちょっとした火種でも燃え広がりやすくなります。
特に築30年以上の住宅では、配線の劣化や漏電による火災も少なくありません。
3. ごみや雑草が火種になる
庭に積まれたごみや、放置されたままの雑草も火事の原因になりやすいもの。
夏場は草木がよく燃え、冬場は乾燥した落ち葉が火を広げてしまいます。
4. 放火のターゲットになりやすい
総務省消防庁の統計でも、建物火災の原因で上位に入るのが「放火」です。
管理されていない空き家は「誰も見ていない場所」と見なされ、犯罪の標的になってしまうのです。
●空き家火災がもたらす被害
空き家の火事は、その家だけの問題では終わりません。
延焼すれば近隣住宅や住民に大きな被害を及ぼします。
住宅街で火事が広がれば、多くの人が避難を余儀なくされる
煙や悪臭が周辺に充満し、健康被害につながる
火災後の解体・撤去費用は、所有者に大きな負担となる
つまり「誰も住んでいない家だから大丈夫」ではなく、「誰も住んでいないからこそ危険」なのです。
●予防のためにできること
定期的な見回りをする
最低でも月に1回は空き家を訪れ、通気や点検を行うことが大切です。
郵便物が溜まっていないか、雑草が伸びていないかを確認するだけでも、防犯や防火の効果があります。
草木やごみを片付ける
庭に雑草や落ち葉が溜まると、放火や自然発火のリスクが高まります。
草刈りや掃除をこまめに行い、「燃えやすいものを残さない」ことが大切です。
火の気になるものを撤去する
カーテン、古い布団、新聞紙などは火がつきやすいため、可能であれば処分しておきましょう。
特にガスボンベやスプレー缶などは爆発の原因にもなるため要注意です。
センサーライトや防犯カメラを設置
最近は、安価で設置できるセンサーライトやネット接続型の防犯カメラも増えています。
「人の目がある」と思わせるだけでも、不審者や放火犯を遠ざける効果があります。
消防署や自治体の相談窓口を活用
自治体によっては「空き家相談窓口」や「防災点検サービス」を提供しているところもあります。
また、地域の消防署では火災予防に関するアドバイスを受けられることもあるので、一度相談してみるのも安心です。
●最近注目されている空き家管理サービス
近年は「空き家管理サービス」が広がっています。
月額で利用できるサービスが多く、専門スタッフが定期的に訪問して通風・通水・草刈り・清掃などを行ってくれます。
特に遠方に実家がある方や、高齢で管理が難しい方にとっては大きな助けになります。
また、管理をしていること自体が「防犯抑止」につながり、火災の予防にも役立ちます。
●季節ごとの注意点
夏
・草木がよく燃えるため、草刈りを徹底
・窓を少し開けて風を通すと湿気対策にも
秋
・落ち葉をため込まない
・乾燥が始まるため火の粉の飛び火に注意
冬
・空気が乾燥し、放火が多発する季節
・防犯ライトや巡回を強化
春
・引っ越しや移動が増える時期で、不審者が紛れやすい
・早めの草刈りで予防を
●「いざ」という時のための備え
火災保険は空き家にも加入できます。
もし火事が起きてしまった場合に備え、補償内容を確認しておくと安心です。
また、近隣住民との関係づくりも大切です。
「この家は管理されている」と認識してもらうことで、不審者に狙われにくくなり、万一の時も早く発見してもらえる可能性が高まります。
●まとめ
空き家の火事は、「人が住んでいないから安全」ではなく「人が住んでいないからこそ危険」なのです。
定期的な管理、庭やごみの整理、防犯対策、そして専門サービスの活用。これらを組み合わせることで、火災リスクを大幅に減らすことができます。
家は、人が暮らさなくても地域の景観や安全に影響を与える大切な存在です。
火事を防ぐための小さな工夫が、周りの人の安心と自分自身の財産を守ることにつながります。
「空き家をどうするか」――今こそ考えてみませんか?