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古家付き土地の売却方法とポイント

 

●はじめに:古家がある土地、本当に売れるの?

「実家を相続したけれど、建物が古くてボロボロ…」
「空き家のまま放置していて、このまま売れるのかな?」

そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。実は、古家付き土地は工夫次第でスムーズに売却することができます。しかも最近は“空き家問題”や“リノベーション人気”の高まりから、古家の活用法にも注目が集まっているのです。

今回は、古家付き土地を売るときに知っておきたい基本の方法と、売却を成功させるためのポイントを分かりやすくご紹介します。

 

● 古家付き土地の売却には3つの方法がある

古家がある土地を売るとき、実は大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

(1) 古家を解体して「更地」にして売る

もっともオーソドックスなのが、更地にして売却する方法です。建物を解体することで買主は自由に新築を建てられるため、ニーズが広がりやすくなります。

メリット:買主にとってイメージしやすい/早期売却につながりやすい

デメリット:解体費用がかかる(木造30坪で約100〜200万円が目安)

(2) 古家をそのまま「現況渡し」で売る

建物を解体せず、土地と建物を一緒に引き渡す方法です。最近は「古家リノベーション」や「DIYブーム」により、古い家をあえて残してほしいという需要もあります。

メリット:解体費用が不要/買主がリノベーションに活用できる

デメリット:買主の層が限られる/築年数が古すぎると印象が悪い

(3) 古家を活かして「中古住宅」として売る

築年数や状態によっては、中古住宅として売れる可能性もあります。耐震基準を満たしている場合や、立地が良ければ「リフォーム前提」で買いたいという層も少なくありません。

メリット:土地だけでなく建物にも価値を付けられる

デメリット:建物の劣化が激しい場合は評価が下がる

 

● 売却前に確認すべきチェックポイント

古家付き土地を売る前に、必ず確認しておきたいポイントがあります。

・境界線の明示

「敷地の境界がはっきりしていない」と、トラブルの原因になります。売却前に測量しておくと安心です。

・建物の状態

雨漏りやシロアリ被害がある場合は、そのまま伝えることが大切です。隠すと契約不適合責任に問われる可能性があります。

・法規制の確認

土地の用途地域や建ぺい率・容積率なども事前に把握しておきましょう。再建築不可の土地は特に注意が必要です。

・解体・リフォームの見積もり

「更地渡し」と「現況渡し」どちらが有利かを判断するためにも、事前に費用感を把握しておくのがおすすめです。

 

● 売却をスムーズに進めるための工夫

(1) 「現況渡しOK」で買主の選択肢を広げる

最初から更地にするのではなく、まずは現況のまま市場に出してみるのも一つの方法です。買主の中には「自分で解体したい」「リノベして使いたい」というニーズもあります。

(2) 立地の良さをアピールする

古家自体が古くても、駅近・学校やスーパーが近いなどの立地条件は大きな魅力になります。「暮らしやすさ」をしっかり伝えることが重要です。

(3) 補助金制度を活用する

自治体によっては、空き家解体やリフォームに補助金が出るケースもあります。売主が制度を活用して解体するのはもちろん、買主への情報提供としても役立ちます。

(4) 専門家に相談する

不動産会社や相続診断士など、専門家に相談することで、より有利な売却方法を選ぶことができます。特に相続した古家は税金の取り扱いが複雑になるため、事前確認は必須です。

 

● 最近のトレンド:古家を“資産”に変える考え方

近年は「古民家カフェ」や「リノベーション賃貸」のように、古い建物の価値を活かす事例が増えています。特に若い世代を中心に「味のある住まい」へのニーズが高まっているため、築年数が古い家でも“使い方次第で価値が出る”という流れがあるのです。

また、国や自治体も空き家対策に力を入れており、「空き家バンク」に登録してマッチングする方法も注目されています。

 

● まとめ:古家付き土地は「方法次第」で売れる

古家付き土地の売却は、

更地にして売る

現況渡しで売る

中古住宅として売る
の3パターンが基本です。

さらに、境界や法規制の確認、解体・リフォームの見積もり、補助金制度の活用といった準備を整えておけば、売却はぐっとスムーズになります。

古い家があるからといって「売れない」と思い込む必要はありません。むしろ、リノベーションや古民家人気といったトレンドを追い風にできるチャンスです。

「古家付き土地をどう活用するか」は、売主の工夫次第。ぜひこの記事を参考に、自分に合った方法を選んでみてください。