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相続した家を売る?残す?判断のポイント
「親から家を相続したけれど、この家をどうすればいいのだろう?」
そんな悩みを抱える方は年々増えています。
少子高齢化が進み、相続をきっかけに空き家が発生するケースも多くなりました。国や自治体も空き家対策に力を入れている今、“相続した家を売るか、残すか”の判断はとても重要です。
思い出が詰まった家だからこそ、感情だけで決めてしまうのは危険。冷静に「資産」「維持管理」「家族の未来」を考えることがポイントになります。
この記事では、相続した家をどう活用すべきか迷ったときの判断材料を、わかりやすくまとめました。
●相続した家を残すメリット
まずは「残す」という選択肢を見ていきましょう。
1. 家族の拠点になる
相続した家は、実家として家族の思い出が詰まっているケースが多いもの。二世帯住宅にリフォームしたり、子どもや孫の住まいとして活用できれば、家族の絆をつなぐ拠点になります。
2. 将来的な資産活用
土地や建物は、将来的に売却や賃貸に回すことも可能です。都市部や交通アクセスが良い場所なら、相続した家を残しておくことで資産価値を保つことができます。
3. セカンドライフの選択肢
田舎や郊外に家がある場合、「週末の別荘」や「リモートワーク拠点」として使う人も増えています。最近では自然のある暮らしや二拠点生活への関心が高まっており、残す価値が見直されています。
●相続した家を残すデメリット
一方で、残すには注意点もあります。
1. 固定資産税や維持費がかかる
誰も住まなくても、固定資産税や都市計画税は毎年発生します。また、庭木の手入れや雨漏りなど、管理を怠れば劣化が進み、結果的に修繕費用が大きくなる可能性があります。
2. 空き家リスク
「今は使わないけれど、将来使うかもしれない」とそのまま放置すると、空き家として防犯や防災のリスクが高まります。ご近所トラブルの原因になりかねません。
3. 共有名義の問題
兄弟姉妹など複数人で相続した場合、活用方法で意見が分かれることも。「残したい人」と「売りたい人」が対立してしまうと、話し合いが長引く原因になります。
●相続した家を売るメリット
続いて「売る」という選択肢です。
1. 管理の手間と費用が不要に
一番大きなメリットは、固定資産税や維持管理の負担から解放されること。家を持ち続けることのリスクをなくせます。
2. 資産を現金化できる
売却によってまとまったお金が手に入ります。住宅ローンの返済や子どもの教育費、老後の生活資金など、将来の安心につなげられます。
3. 家を必要とする人に活用してもらえる
空き家にしておくよりも、新たな家族に住んでもらうことで地域にもプラスに。リノベーションや再建築で街が活性化することにもつながります。
●相続した家を売るデメリット
もちろん売却にも注意点があります。
1. 思い出の喪失
親が大切にしてきた家を手放すことに、心理的な抵抗を感じる人も多いです。「本当に手放していいのか」と後悔する可能性もあります。
2. 売却価格が希望通りにならない場合も
築年数が古い家や立地条件が良くない家は、思ったより高く売れないケースもあります。場合によっては解体費用を差し引かれてしまうことも。
3. 譲渡所得税が発生する
相続した家を売却した際、売却益が出れば譲渡所得税がかかります。ただし「相続空き家の特例」などの税制優遇措置を活用できる場合もあるので、税理士や不動産会社に確認することが大切です。
●売る?残す?判断のポイント
では、具体的にどのように判断すれば良いのでしょうか。
1. 家の状態をチェック
老朽化の程度や修繕費用を確認しましょう。リフォームで再活用できるのか、建て替えが必要なのかを見極めることが大切です。
2. ライフプランとの相性
自分や家族の将来設計と照らし合わせて考えましょう。「子どもが住む予定があるか」「別荘として使えるか」など、活用シーンが明確であれば残す価値があります。
3. 費用と収支のシミュレーション
固定資産税や管理費を含めた維持コストと、将来的な資産価値や売却価格を比較してみると、どちらが合理的か見えてきます。
4. 相続人同士の意見調整
複数人で相続している場合は、トラブル回避のために早めに意見をまとめることが必要です。専門家を交えて話し合うのも有効です。
●トレンドから見る相続不動産の活用法
最近は「空き家対策」が大きな社会問題になっています。
自治体によっては空き家解体やリフォームに補助金を出す制度もあり、売却や賃貸に有利な条件が整いつつあります。
また、テレワークの普及や地方移住の人気から、「相続した実家をリノベして貸し出す」という選択肢も注目されています。残す場合でも、収益化できる道を探すのがトレンドです。
●まとめ
相続した家を「売るか」「残すか」は、家族にとって大きな決断です。
残すメリットは、家族の拠点や資産活用の可能性。
デメリットは、固定資産税や管理負担、共有名義の問題。
売るメリットは、現金化や管理の手間から解放されること。
デメリットは、思い出の喪失や売却価格のリスク。
最終的には、家族のライフプランや経済状況、そして地域のトレンドをふまえて冷静に判断することが重要です。
大切なのは「今の暮らし」と「これからの暮らし」の両方を見据えること。相続した家をどう扱うかによって、家族の未来の形も変わってきます。
👉 相続した家で迷っている方は、不動産会社や税理士に早めに相談するのがおすすめです。専門家のアドバイスを受けながら、自分たちにとって一番納得できる選択をしていきましょう。