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「査定価格」と「売却価格」の違いを知っていますか?

 

●その価格、本当に売れる金額ですか?

不動産の広告やチラシを見ていると「査定無料」「高額査定!」といった文字が目に入りますよね。
「うちの家はいくらくらいで売れるんだろう?」と気になって査定を依頼する方も多いはずです。

でも、ちょっと待ってください。
査定価格=実際に売れる価格だと思い込んでいませんか?

実は「査定価格」と「売却価格」には大きな違いがあるんです。
この違いを理解していないと、「思ったより安くしか売れなかった…」という後悔につながることも。

この記事では、不動産売却を考えるうえで大切な「査定価格」と「売却価格」の違いをわかりやすく解説します。

 

●査定価格とは?プロがはじき出す“目安の数字”

 

まず「査定価格」について。
これは不動産会社がプロの目で判断した“売却できそうな価格の目安”のことを指します。

査定価格はこんな情報をもとに算出されます。

・周辺の取引事例(同じ地域で売れた物件の価格)

・公示地価や路線価などの公的な価格データ

・建物の築年数や状態、リフォーム履歴

・駅やスーパー、学校など生活環境の利便性

・需要と供給のバランス

つまり査定価格は「統計」と「経験」を組み合わせた“根拠のある見積もり額”です。

ただし、これはあくまで“理論上の価格”。
この時点では「必ずその値段で売れる」という保証はありません。

 

●売却価格とは?実際に買主が支払う金額

 

一方「売却価格」とは、実際に市場で売れた金額のことです。

不動産は株式や金のように相場が常に明確ではありません。
同じエリア・同じ広さの家でも、買主が「ここに住みたい!」と思えば高く売れることもあれば、逆に希望者が少なければ安くしか売れないことも。

つまり売却価格は「買主の需要と交渉によって決まるリアルな数字」です。

 

●「査定価格」と「売却価格」の差が生まれる理由

 

では、なぜ査定価格と売却価格に差が出るのでしょうか?

代表的な理由は以下のとおりです。

市場のタイミング
 春は転勤や進学シーズンで需要が高く、価格が上がりやすい傾向があります。
 一方で秋冬は動きが鈍く、希望通りに売れにくいことも。

売主の希望条件
 「できるだけ早く売りたい」なら価格を下げてでも成約を優先します。
 逆に「じっくり高値で売りたい」と考えれば、販売期間が長くなることも。

競合物件の存在
 近所に似た条件の物件が売り出されていると、買主の選択肢が広がり、値下げを求められる可能性があります。

内覧時の印象
 整理整頓がされていない、設備が古いまま…といった状態だと印象が悪くなり、希望価格での売却が難しくなります。

 

●高く売りたいなら「査定価格+売却戦略」がカギ

 

査定価格はあくまでスタート地点。
ここから「どう売るか」で最終的な売却価格が変わってきます。

高く売るためのポイントをいくつか紹介します。

販売戦略を練る
 相場に合った価格設定をしつつ、タイミングを見極めて売り出すことが大切。

内覧対策をする
 掃除や片付けで“第一印象”を良くするだけで、買主の心をつかみやすくなります。

広告力のある会社を選ぶ
 大手ポータルサイト掲載はもちろん、SNSや動画を活用する会社は集客力が強く、売却成功率も上がります。

複数社に査定を依頼する
 査定額は会社ごとに差が出るもの。相場感を知るためにも最低2〜3社は比べてみましょう。

 

●「査定価格」と「売却価格」を理解するメリット

 

この違いを理解しておくことで、こんなメリットがあります。

・相場から大きく外れた期待を持たずにすむ

・値下げ交渉があっても冷静に対応できる

・売却期間や資金計画を立てやすくなる

不動産売却は一生に何度も経験することではありません。
だからこそ正しい知識を持って、後悔のない選択をしていただきたいのです。

 

●まとめ

正しく理解して、納得のいく売却を

 

「査定価格」と「売却価格」は似ているようで、まったく別のもの。

査定価格=不動産会社が算出する理論上の目安

売却価格=実際に市場で売れたリアルな金額

この違いを理解していれば、不動産売却のプロセスに安心して向き合えます。

大切なのは「高く売ること」だけでなく、「納得して売ること」。
そのために、まずはこの2つの違いをしっかりと押さえておきましょう。