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空き家を売るときの仲介手数料、どのくらい?

 

「実家が空き家になったけれど、そろそろ売却を考えたい」「不動産会社にお願いすると仲介手数料がかかると聞いたけど、どのくらいなんだろう?」――そんな疑問を持つ方は少なくありません。

空き家の売却は、人生の中でも大きな決断のひとつ。けれど、費用のことをよく知らないまま進めてしまうと「思っていたより高くついた…」と後悔することも。今回は、空き家を売るときに必要となる仲介手数料の基本から、相場、節約のコツまで、わかりやすく解説します。

●仲介手数料ってなに?


不動産を売却するとき、多くの方は不動産会社に「仲介」を依頼します。
仲介とは、買いたい人を探してくれたり、売買契約の手続きをサポートしてくれるサービスのこと。

このときに発生するのが「仲介手数料」です。
つまり、「不動産会社への成功報酬」と考えるとわかりやすいでしょう。

 

●仲介手数料の上限は法律で決まっている


実は、仲介手数料は「自由に決められるもの」ではなく、宅地建物取引業法で上限が定められています。

売却価格ごとの計算式
200万円以下の部分:売買価格 × 5%

200万円超~400万円以下の部分:売買価格 × 4%

400万円超の部分:売買価格 × 3%

これを合計して、消費税を足した金額が仲介手数料の「上限」となります。

よく使われる簡易計算式
400万円を超える取引の場合は、
「売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税」
で求められるため、多くの不動産会社がこの計算式を案内しています。

 

●いくらかかる? 実際の目安


具体的な金額のイメージを持っていただくために、売却価格別に試算してみましょう。

1000万円の空き家を売る場合
 → 仲介手数料は 1000万円 × 3% + 6万円 = 36万円(+消費税)

2000万円の空き家を売る場合
 → 仲介手数料は 2000万円 × 3% + 6万円 = 66万円(+消費税)

3000万円の空き家を売る場合
 → 仲介手数料は 3000万円 × 3% + 6万円 = 96万円(+消費税)

このように、売却価格が高くなるほど手数料も増えていきます。
決して小さな金額ではないので、あらかじめ計算して心づもりをしておくと安心です。

 


●仲介手数料はいつ払うの?


仲介手数料の支払いタイミングは、不動産会社によって多少異なりますが、多くは以下の2回に分けて支払うケースが一般的です。

売買契約を結んだとき(半額)

物件の引き渡しが完了したとき(残りの半額)

つまり、「契約が成立してから支払う」という仕組みなので、売却できなければ仲介手数料を払う必要はありません。

手数料は安くできる?
「仲介手数料って値引きできないの?」と気になる方も多いはず。

法律で定められているのは“上限”なので、それ以下であれば自由に設定可能です。
実際に「キャンペーン中につき手数料半額」「成約価格に応じて割引」といったサービスを行う不動産会社も増えてきました。

ただし、手数料が安い分、サービス内容がシンプルになっていることもあります。
「手数料が安いからお得!」と飛びつくのではなく、どんなサポートをしてくれるのかをしっかり確認することが大切です。


●最近のトレンド:空き家売却サポートが拡大中


近年は空き家問題が社会的な課題となり、自治体や国もさまざまな対策を進めています。
その流れの中で、不動産会社も空き家売却のサポートに力を入れており、

仲介手数料の割引キャンペーン

空き家査定の無料サービス

空き家バンクとの連携

といった取り組みが増えています。
情報収集をしっかり行えば、従来よりも有利な条件で売却できるチャンスも広がっています。

 

●手数料以外にかかる費用も忘れずに


仲介手数料のことばかり気にしていると、他の費用を見落としがちです。
空き家売却では、次のような費用もかかる可能性があります。

登記費用(司法書士への報酬など)

測量費用(境界があいまいな場合)

解体費用(古家付き土地として売れない場合)

譲渡所得税(利益が出た場合)

これらを合わせると、数十万円~数百万円になるケースも。
「売ったら手元にいくら残るのか?」を事前に試算しておくことが大切です。

 

●信頼できる不動産会社を選ぶポイント


仲介手数料の金額だけでなく、「誰に頼むか」も大事なポイントです。

地域の実績があるか

空き家の扱いに慣れているか

売却後までしっかりフォローしてくれるか

不動産会社によって強みはさまざま。
複数社に査定を依頼して、信頼できる担当者と出会えるかどうかが、空き家売却の成功を左右します。

まとめ:手数料の仕組みを知って安心の売却を
空き家を売るときに必要な仲介手数料は、売却価格に応じて「最大で売却額の3%+6万円+消費税」が目安です。
決して安くはありませんが、不動産会社のサポートによって安心して売却を進められる大切な費用でもあります。

最近は手数料割引や空き家専門サービスも増えているので、複数社を比較しながら、納得できる条件を選ぶことが成功への近道です。

「いくらかかるのか」「いつ払うのか」をしっかり理解しておけば、売却の一歩を安心して踏み出せるはず。
空き家の活用方法は売却だけではありませんが、「まずは売る」と決めたとき、仲介手数料をきちんと把握しておくことが、後悔のない選択につながります。