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家を高く売るための掃除&片付けテクニック

家を高く売るための掃除&片付けテクニック

2025.06.12

 

●第一印象が“価格”を変える

家を売るとき、多くの方が「立地」や「築年数」「間取り」などに注目しがちです。もちろんそれらは大切な要素ですが、実は「掃除」と「片付け」こそが、最終的な売却価格や購入希望者の気持ちを左右する大きなポイントになるのです。

モデルルームのようにピカピカでなくても大丈夫。ちょっとした工夫と心配りで「この家に住みたい!」と思ってもらえる空間をつくれます。今回は、不動産のプロも実践している“高く売れる”掃除&片付けテクニックをお伝えします。

 

1. “生活感を消す”が最大のコツ

購入希望者は「ここでの新しい暮らし」を想像しながら見学に来ます。
そのとき、前の持ち主の生活感が強く残っていると「自分が暮らす姿」をイメージしづらくなってしまいます。

写真やカレンダーなど、個人的なものは外す

洗面所やお風呂のシャンプーボトルは最小限に

冷蔵庫のマグネットやメモは片付ける

これだけで空間がスッキリ見え、まるで新築のような印象になります。

 

2. 「玄関・リビング」を徹底的に磨く

人は最初の5秒で印象を決めると言われています。家も同じ。
特に玄関とリビングは「第一印象エリア」です。

玄関

たたきの砂やほこりをしっかり掃き掃除

下駄箱の中を整理し、靴は数足だけに絞る

芳香剤やお花を置いて清潔感を演出

リビング

床はワックスがけで光沢をプラス

カーテンを洗濯して“匂い”をリセット

家具は最小限にして広さをアピール

 

3. 水まわりは“徹底的な清潔感”が鍵

水回りは購入希望者が必ずチェックする場所。カビや水垢が残っていると「手入れが大変そう」というマイナスイメージにつながります。

キッチンはシンクの水垢を磨き、コンロ周りの油汚れを除去

浴室は鏡のウロコ取りや排水口の清掃で“新品感”を演出

トイレは便器の黄ばみを落とし、換気扇も掃除

特に最近は「除菌」「消臭」への意識が高いので、見た目の清潔さに加えて、におい対策も大切です。

 

4. 不用品は“捨てる”より“移動する”

「売却前の片付け=断捨離」と思いがちですが、全部捨てる必要はありません。

トランクルームを一時利用する

実家や倉庫に送っておく

大型家具はレンタル業者に預ける

これだけで部屋が広く見え、「収納力がある家」として印象がアップします。

 

5. プチリフォームよりも“掃除”がコスパ最強

「壁紙を張り替える」「設備を入れ替える」などのリフォームはコストがかかります。
しかし、多くのケースでは徹底的な掃除だけで十分に印象が改善します。

特におすすめなのが…

窓ガラスやサッシをピカピカにする

庭やベランダの雑草を抜いて整理する

照明器具を掃除し、明るさを取り戻す

明るく清潔感がある家は、それだけでプラス査定につながります。

 

6. 今どきの“香り”演出テクニック

近年は「香りの演出」も注目されています。強すぎる芳香剤は逆効果ですが、ほんのり良い香りは大きなプラス。

玄関にアロマディフューザー

リビングは天然素材の消臭スプレー

カーテンやソファにファブリックミスト

ポイントは“自然で軽やか”な香りにすること。清潔感と安心感を同時に伝えられます。

 

7. 写真映えを意識する掃除&片付け

最近はポータルサイトやSNSで物件を探す人が増えています。つまり「写真映え」が売却成功の大きなカギ。

床や窓を磨いて光を反射させる

余計な小物を片付け、背景をシンプルに

観葉植物や小物で“ワンポイント”を加える

写真を撮るときは自然光が入る昼間に行うと、より印象が良くなります。

 

●まとめ

掃除は“最高の投資”

 

家を高く売るためには、特別なリフォームや大掛かりな工事が必要なわけではありません。
ちょっとした掃除や片付けが、購入希望者の心を動かし、結果として売却価格を押し上げることにつながります。

生活感を消す

玄関とリビングを重点的に

水回りは徹底的に清潔に

不用品は一時的に外に出す

写真映えを意識する

「この家に住んでみたい」と思わせる準備をしておくことが、成功への近道です。

あなたの大切な家が、より高く、より良い形で次の方に引き継がれるよう、ぜひ今日から少しずつ実践してみてください。

相場の調べ方|ネットと不動産会社どちらを信じる?

相場の調べ方|ネットと不動産会社どちらを信じる?

2025.06.10

「家を売るとき、いくらくらいで売れるの?」
この疑問は、誰もが最初に抱くものではないでしょうか。ネットを開けば「不動産一括査定サイト」や「相場検索サービス」が簡単に出てきますし、不動産会社に相談すればプロの目で価格を提示してくれます。

でもここで多くの方が悩むのが、**「ネットと不動産会社、どちらを信じればいいのか?」**ということ。
この記事では、その疑問を分かりやすく、そして少し楽しく解きほぐしていきます。

 

●ネットで調べる相場のメリットと注意点

1. すぐに調べられる手軽さ

ネット相場の一番の魅力は「スピード感」。物件の住所や条件を入れるだけで、数秒後にはおおよその金額が表示されます。忙しい毎日の中でもサッと確認できるのは大きな利点です。

 

2. 複数データを一度に確認できる

近隣エリアの売却事例や、築年数ごとの平均価格が一覧で出ることも多く、ざっくりとした「相場感」を掴むには便利です。

 

3. ただし“平均”に注意!

ネットの数字はあくまで「参考値」。実際の取引価格とはズレがあることもしばしばです。例えば、同じエリアでも「日当たり」「角地」「学区」などの要素で価格が大きく動きます。AIや統計だけでは拾えないポイントが多いため、「そのまま鵜呑み」は危険です。

 

●不動産会社に相談するメリットと注意点

 

1. 実際の成約データに基づいた査定

不動産会社は「現在進行形の市場」を知っています。ネットが公開していない直近の成約価格や、地域の動きも把握しているため、リアルな金額を提示できるのが強みです。

 

2. 物件ごとの強みを評価してくれる

例えば「駅から近い」「庭が広い」「耐震等級3」など、ネットには反映されにくい“魅力”を価格に反映してくれます。特に最近は省エネ住宅やZEHなど、新しい基準に対して需要が高まっており、評価額がプラスになるケースもあります。

 

3. 不動産会社ごとに数字が違うことも

ただし注意点として、不動産会社は「売りたい価格」「売れる価格」のバランスを考えます。そのため査定額に幅が出るのは自然なこと。1社だけで判断せず、複数社の意見を聞くことが大切です。

 

●ネット vs 不動産会社、どちらを信じるべき?

 

答えはシンプルで、「両方を組み合わせる」のが正解です。

 

ネット:相場感をざっくり把握するツール

不動産会社:実際に売れる価格を把握する相談相手

 

この二つを重ね合わせて、自分なりに「現実的なライン」を見つけることが安心につながります。

 

●トレンドを踏まえた相場の見方

1. 金利と相場の関係

最近は住宅ローン金利の動向が大きく話題になっています。金利が上がれば買い手の負担は増え、相場は下がりやすい。逆に金利が安定している時は、買い手が増えて価格は堅調です。

 

2. 人気エリアの変化

コロナ禍以降「郊外の広い家」や「テレワークに対応できる間取り」が注目されました。現在もその傾向は続いており、駅近よりも「生活利便性」と「広さ」を重視する動きがあります。

 

3. 環境配慮型住宅の価値アップ

省エネ基準やZEHなど、環境にやさしい住宅は需要が高まっており、一般住宅よりも高く評価されやすい流れがあります。売却を考える際は、この点もチェックしましょう。

 

●相場を正しく掴むための3ステップ
 

ステップ1:ネットで相場感を掴む

まずは一括査定サイトや相場検索で、ざっくりとした金額を把握しましょう。「このくらいで売れるのか」とイメージを作る段階です。

ステップ2:複数の不動産会社に相談する

最低でも2~3社に相談し、それぞれの査定額と根拠を聞くこと。説明が具体的で納得感がある会社は、信頼できるパートナー候補です。

ステップ3:数字だけでなく“売り方”も聞く

「早く売りたい」のか「できるだけ高く売りたい」のか、目的によって最適な戦略は変わります。広告の仕方やターゲット層まで含めて提案してくれる会社は頼りになります。

 

●まとめ

 

相場を調べるときは、

ネット=スピーディで手軽な参考書

不動産会社=リアルな市場を知る先生

このように使い分けることが大切です。どちらか片方を信じ切るのではなく、両方の情報を掛け合わせることで、自分にとって納得できる「相場観」が見えてきます。

「売る」かどうかまだ決めていない方も、まずは気軽に調べてみることから始めましょう。準備をしておくことで、いざという時に慌てずに判断できます。

不動産は大きな資産です。信頼できる情報とパートナーを見つけて、安心できる売却計画を立ててくださいね。

売却査定はどう頼む?失敗しない依頼方法

売却査定はどう頼む?失敗しない依頼方法

2025.06.08

 

●大切な家を売る、その第一歩

「この家を売ろうかな…」と思ったとき、まず頭に浮かぶのが “売却査定” ではないでしょうか。
でも、いざ依頼するとなると「どこに頼めばいいの?」「査定ってどう進むの?」と、不安になるものです。

特に最近はオンライン査定やAI査定など、新しいサービスも増えてきています。便利さの一方で、情報が多すぎて迷ってしまう方も少なくありません。
この記事では、 売却査定を失敗せずに依頼するコツ をわかりやすくまとめました。初めての方でも安心して読み進められる内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

1. 売却査定とは?まずは基本を知ろう

不動産の「売却査定」とは、その物件が市場でどれくらいの金額で売れるかを専門家が評価することです。
査定の結果は、今後の売却活動の基準となる大切な数字。だからこそ、依頼の仕方や選び方で結果が大きく変わることもあるのです。

 

査定には2種類あります。

机上査定(簡易査定)
 住所や間取りなどの情報をもとに、短時間で概算を出してもらう方法。今の相場感を知りたいときに便利です。

訪問査定(詳細査定)
 実際に担当者が現地を見て、建物の状態や周辺環境までチェックして算出する方法。実際の売却活動に進むときは、必ずこちらを依頼するのがおすすめです。

 

2. 依頼前にやっておくと安心な準備

査定を依頼する前に、ちょっとした準備をしておくとスムーズに進みます。

必要書類を確認しておく

・権利証または登記識別情報

・建築確認済証や間取り図

・固定資産税の納税通知書

これらがあると査定の精度が高まり、やりとりもスピーディーです。

 

家の魅力を整理しておく

「日当たりが良い」「駅から近い」「リフォーム済み」など、家の良さを自分で言語化しておくと、査定担当者に伝えやすくなります。

 

3. 査定依頼は1社だけにしないのが鉄則

つい「近所の不動産会社にお願いすればいいか」と思ってしまいがちですが、実はそれは失敗のもと。
複数の会社に依頼して比較することが大切 です。

A社:販売力はあるけど査定額はやや控えめ

B社:査定額は高いけど販売実績は少ない

C社:地域密着で丁寧な対応

このように、それぞれ特徴があります。
1社だけだと、その会社の考え方に引っ張られてしまい、相場を見誤る可能性があるのです。

 

4. 高すぎる査定額に注意!

「うちの家、こんなに高く売れるんだ!」と喜んだのも束の間、実際に売り出してもなかなか買い手がつかない…。
そんな失敗例は少なくありません。

査定額はあくまで「売れる可能性のある価格」。
極端に高い金額を提示する会社には注意しましょう。最初は気持ちいい数字でも、売れ残るリスクが大きく、結局は値下げを繰り返すことになりかねません。

 

5. オンライン査定とAI査定はどう使う?

最近はスマホから数分で結果が出る オンライン査定 や、AIが過去のデータをもとに算出する AI査定 が人気です。

 

メリット

気軽に相場を知れる

複数社を比較しやすい

来店不要で時間の節約になる

 

デメリット

実際の状態を反映しづらい

最終的な価格とは差が出ることがある

 

ポイントは、 「参考値」として使う こと。
本格的に売却を考えるなら、最終的には訪問査定を依頼するのが確実です。

 

6. 信頼できる不動産会社を見極めるポイント

査定を依頼する会社を選ぶとき、こんな点に注目してみてください。

・過去の販売実績を公開しているか

・地域の相場や市場動向に詳しいか

・担当者の説明が丁寧でわかりやすいか

・契約を急がせないか

「この人なら安心して任せられる」と思えるかどうか。直感も大事にしてくださいね。

 

7. 査定を依頼するときの流れ

複数の会社に連絡して、査定を依頼

簡易査定で相場感をチェック

信頼できる会社を選んで訪問査定へ

査定結果を比較・検討

媒介契約を結んで売却活動スタート

大切なのは「段階を踏む」こと。焦らず進めれば、失敗はぐっと減らせます。

 

8. よくある失敗とその回避法

失敗1:査定額だけで会社を決める
 → 実績や担当者の対応も必ずチェック。

失敗2:書類を用意していなかった
 → 必要書類を揃えておくと査定がスムーズ。

失敗3:契約を急いでしまう
 → その場で即決せず、一度持ち帰って考える余裕を。

 

 

●まとめ

安心して第一歩を踏み出そう

 

不動産の売却は、人生の中でも大きな決断のひとつ。
だからこそ、 最初の査定依頼を丁寧に進めることが成功への近道 です。

複数社に依頼して比較する

高すぎる査定額には注意する

信頼できる担当者を選ぶ

この3つを意識すれば、失敗はぐっと減ります。

今はオンラインやAI査定といった便利なツールもあります。気軽に活用しつつ、最終的には訪問査定で確かな数字を確認するのがベストです。

「売却査定をどう頼めばいいの?」と迷っていた方も、この記事を参考に、安心して最初の一歩を踏み出してみてください。

仲介と買取の違い|どちらがあなたに合っている?

仲介と買取の違い|どちらがあなたに合っている?

2025.06.06

 

「家を売りたい」と思ったとき、まず最初に悩むのが 「仲介」か「買取」か という選択です。
どちらも不動産を手放す手段ですが、仕組みやメリット・デメリットは大きく異なります。

「時間をかけても高く売りたい」人もいれば、「できるだけ早く現金化したい」人もいます。
大切なのは、自分の状況に合った方法を選ぶこと。

この記事では、仲介と買取の違いをわかりやすく解説しながら、実際の事例も交えてご紹介します。
これを読めば「自分はどちらを選ぶべきか」がイメージできるはずです。

 

1. 仲介とは?

仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に入り、取引をサポートする方法です。
売主は不動産会社に依頼し、広告や紹介を通じて「一般の買主」を探してもらいます。

 

仲介のメリット

市場価格に近い、もしくはそれ以上で売れる可能性がある

買主が見つかれば、納得のいく価格で売却できる

物件の価値を最大限に活かせる

 

仲介のデメリット

売れるまでに時間がかかる(数か月~1年以上かかる場合も)

内覧や掃除、修繕対応が必要になることがある

価格交渉にストレスを感じやすい

 

事例

あるAさんは、駅近の築15年マンションを仲介で売却しました。
内覧に数回対応し、売却までに半年ほどかかりましたが、相場より少し高い価格で契約が成立。
「時間はかかったけれど、想定以上の金額になって満足」と語っています。

 

2. 買取とは?

買取とは、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
つまり、買主は「一般の個人」ではなく「不動産会社」になります。

 

買取のメリット

すぐに現金化できる(最短数日で契約可能)

内覧対応や広告活動が不要

訳あり物件(古家・相続物件・長年放置した空き家など)でも売却可能

 

買取のデメリット

仲介よりも価格が下がる(市場価格の70~90%程度)

選択肢が限られる(会社によって価格や条件に差がある)

 

事例

Bさんは、実家を相続しましたが、遠方に住んでおり管理が大変でした。
早く手放したいと考え、買取を選択。1か月もかからず現金化でき、
「手間なくスムーズに片付いた」と安心したそうです。

 

3. 仲介と買取を比較してみよう

項目 仲介 買取
売却スピード 遅い(数か月~1年以上) 早い(数日~数週間)
売却価格 高くなる可能性大 市場価格より低め
手間 内覧・掃除・交渉など必要 ほぼ不要
向いている人 少しでも高く売りたい人 早く手放したい人、手間をかけたくない人


 

4. どちらを選ぶ?判断のポイント


(1)売却までの時間

余裕があるなら「仲介」

急ぎたいなら「買取」

 

(2)物件の状態

築浅や立地の良い物件 → 仲介で高く売れる可能性大

古家や空き家、トラブル物件 → 買取で手間なく解決

 

(3)精神的な負担

交渉や内覧に抵抗がある → 買取が安心

少し頑張ってでも高値を狙いたい → 仲介が有利

 

 

5. 最近のトレンド:「買取保証サービス」も登場

 

最近は「仲介」と「買取」の両方を組み合わせた 買取保証サービス も注目されています。
これは「まずは仲介で販売し、一定期間売れなければ事前に決めた価格で不動産会社が買い取る」という仕組み。

「高く売りたいけれど、売れ残るのは不安」という人に人気が高まっています。

 

6. まとめ

 

仲介は「時間をかけてでも高く売りたい」人向け

買取は「早く手放したい・手間をかけたくない」人向け

最近は「買取保証サービス」という新しい選択肢もある

家の売却は、一生にそう何度もない大きな決断です。
焦らず、自分のライフスタイルや状況に合わせて選ぶことが大切。

もし迷ったら、まずは信頼できる不動産会社に相談し、**「自分に合う方法」**を一緒に考えてもらうのが安心です。

不動産を売るときにかかる費用はいくら?初心者向けまとめ

不動産を売るときにかかる費用はいくら?初心者向けまとめ

2025.06.04

 

「家を売ったら、そのまま全部手元に残るんでしょ?」
――実は、そう簡単ではありません。

不動産を売却するときには、想像以上にさまざまな費用が発生します。初めての方ほど「え、こんなに必要なの?」と驚くケースも少なくありません。

この記事では、不動産売却にかかる代表的な費用を分かりやすくまとめ、事例も交えながらご紹介します。知っておくだけで安心感がぐっと増しますので、これから「売却」を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

 

●不動産売却で発生する主な費用一覧

 

まずはざっくりとした一覧を見ておきましょう。

・仲介手数料

・印紙税

・登記費用(抵当権抹消登記など)

・測量費用

・引っ越し費用・荷物処分費用

・契約前に必要な修繕・リフォーム費用

・譲渡所得税(利益が出た場合)

「こんなにあるの?」と思われるかもしれませんが、すべての方に必ずかかるものではありません。ケースごとに必要なものを整理していきましょう。

 

① 仲介手数料

最もメジャーなのが 不動産会社への仲介手数料 です。
計算式は以下の通り(上限額)。

売却価格が400万円を超える場合:
売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税

事例

例えば、2,500万円で自宅を売却した場合。

2,500万円 × 3% + 6万円 = 81万円
ここに消費税を加えると、約89万円 が仲介手数料としてかかります。

思ったより高いと感じる方も多いですが、広告活動・交渉・契約手続きなど、安心して売却を進めるための“必要経費”と考えると納得感が増すでしょう。

 

② 印紙税

売買契約書には 収入印紙 を貼る必要があります。
金額は契約金額によって異なり、例えば…

1,000万~5,000万円の契約 → 1万円

5,000万~1億円の契約 → 3万円

数千円~数万円の範囲ですが、必須費用です。

 

③ 登記費用(抵当権抹消など)

住宅ローンを完済していない場合、抵当権が設定されています。売却時にはこれを外すための 抵当権抹消登記 が必要です。

司法書士に依頼するのが一般的で、1~3万円程度 が相場です。

また、相続で取得した不動産を売却する際には「相続登記」が未了の場合、先に登記費用が必要になるケースもあります。

 

④ 測量費用

土地付きの不動産を売却する際、境界があいまい だとトラブルの原因に。
そのため、売主が測量を依頼することがあります。

費用は土地の広さや状況によりますが、30万~60万円前後 が目安です。

 

事例

郊外にある実家の土地を売却する際、隣地との境界杭が見当たらず、トラブル回避のため測量を実施。
結果、約45万円の測量費がかかりました。
ただし買主が安心して契約でき、最終的にスムーズに売却成立。費用以上の効果が得られた例です。

 

⑤ 引っ越し費用・荷物処分費用

忘れがちなのが 引っ越しや荷物整理の費用。

引っ越し費用:5~20万円程度(家族人数や距離による)

家具・家電の処分費:数万円~

特に長年住んだ家の場合、「不用品処分だけで10万円以上かかった」という声も少なくありません。

 

⑥ 修繕・リフォーム費用

「壁に大きな穴がある」「雨漏りがひどい」といった場合は、買主に安心してもらうために修繕することがあります。

ただし、必ずしもリフォームが必要とは限りません。最近は “現状渡し”で売却するケース も増えています。
費用をかけるべきかどうかは、不動産会社と相談しながら判断するのがベストです。

 

⑦ 譲渡所得税(利益が出た場合)

売却益が出た場合には、譲渡所得税 がかかります。

計算式はざっくりいうと:
売却価格 -(購入時の価格+各種費用)= 利益

この利益に対して税金がかかります。

所有期間5年以下 → 約39%(短期譲渡)

所有期間5年超 → 約20%(長期譲渡)

ただし、マイホームを売る場合には 3,000万円特別控除 などの優遇制度があります。

事例

築20年の一戸建てを2,800万円で売却。
購入価格は3,200万円だったため、利益は出ず、譲渡所得税は ゼロ。
逆に赤字だったため、確定申告で控除を受け、翌年の税金が安くなったケースもあります。

 

●費用総額の目安

 

すべてのケースを含めると、一般的には 売却価格の3~7%程度 が費用に消えることが多いです。

仲介手数料:約3%

その他費用:測量・登記・印紙などで数十万円

例えば2,500万円の自宅を売却する場合、100万円前後の費用 は見ておくのが安心です。

 

●まとめ

 

不動産を売却する際には、仲介手数料をはじめ、印紙税・登記費用・測量費・引っ越し費用・譲渡所得税など、さまざまなコストが発生します。

中には「必要ない」と判断できるものもありますが、いざという時に備えて 売却価格の5%前後は費用として見込んでおく のが安心です。

最初から「費用も含めてトータルでいくら手元に残るのか」を把握しておけば、後々慌てることはありません。

売却は人生の大きな転機です。信頼できる不動産会社や専門家と相談しながら、賢く進めていきましょう。

初めての不動産売却ガイド|流れをやさしく解説

初めての不動産売却ガイド|流れをやさしく解説

2025.06.02

 

「家を売る」って、人生の中でそう何度も経験することではありません。
いざ不動産を売却しようと思っても、「何から始めればいいの?」「どれくらい時間がかかるの?」と不安になる方は多いものです。

実は、不動産売却にはある程度決まった流れがあり、ポイントを押さえておけばスムーズに進められます。この記事では、初めての方でも安心できるように、不動産売却の基本的な流れをやさしく解説していきます。
さらに、最近増えている「相続で受け継いだ実家の売却」や「住み替えに伴う売却」の具体的な事例も交えてご紹介します。

 

●不動産売却の全体の流れ

 

大きく分けると、不動産売却は以下のステップで進んでいきます。

 

売却の準備(情報収集・目的の整理)

不動産会社に査定を依頼

媒介契約を結ぶ

販売活動(広告・内覧)

売買契約

引き渡し・決済

税金の申告

 

それぞれのステップを、具体的に見ていきましょう。

 

① 売却の準備|まずは情報を整理

最初のステップは「準備」です。
ここでやっておきたいのは、「なぜ売るのか」目的を明確にすること。

住み替えのためにできるだけ早く売りたい

相続で受け継いだ実家を整理したい

少しでも高く売って老後資金に充てたい

目的によって、売り方や選ぶ不動産会社も変わってきます。

また、家の権利関係や住宅ローンの残債も確認しておきましょう。特にローンが残っている場合は、売却金で完済できるかが大切なポイントです。

 

② 不動産会社に査定を依頼

次に行うのが「査定依頼」。
複数の会社に依頼すると、売却価格の目安がつかめます。

最近は一括査定サイトも増えており、インターネットから簡単に複数の不動産会社へ査定を依頼できます。
ただし、提示されるのはあくまで「査定価格」。必ずしもその金額で売れるわけではありません。

具体的な事例

大阪府で築30年の戸建を相続したAさん。最初は一括査定サイトで5社に依頼したところ、査定額に300万円もの差がありました。最終的に「地域に強い会社」を選び、当初の予想よりも高い価格で売却に成功しました。

 

③ 媒介契約を結ぶ

売却を依頼する会社を決めたら、「媒介契約」を結びます。
種類は大きく3つ。

専属専任媒介契約:1社にのみ依頼。手厚いサポートが受けられる

専任媒介契約:1社に依頼。ただし自分で買主を見つけることも可能

一般媒介契約:複数社に依頼できる

「じっくり高く売りたい」なら一般媒介、「スピード重視」なら専任系が向いています。

 

④ 販売活動(広告・内覧)

媒介契約を結ぶと、不動産会社が販売活動を開始します。

インターネットの不動産サイト(SUUMO、アットホームなど)

チラシや新聞折込

店舗での紹介

内覧希望者が来た場合には、掃除や整理整頓をして印象を良くしておくことが大切です。

具体的な事例

Bさんはマンション売却の際、内覧前にホームステージング(家具や小物でモデルルームのように演出)を取り入れました。その結果、第一印象が良く、相場より高値での成約につながったそうです。

 

⑤ 売買契約

買主が見つかれば、いよいよ「売買契約」。
契約書の内容をよく確認し、疑問点は必ずその場で質問しましょう。

このとき、買主から「手付金(通常は売却価格の5〜10%程度)」を受け取ります。

 

⑥ 引き渡し・決済

契約後、住宅ローンの残債を精算し、司法書士立ち会いのもと所有権移転登記を行います。
決済と同時に買主へ鍵を引き渡し、売却は完了です。

 

⑦ 税金の申告

不動産を売却した翌年には、譲渡所得税の申告が必要になる場合があります。

ただし、「3,000万円特別控除」などの特例を使えば税金がかからないケースもあります。
例えば、長年住んでいたマイホームを売却したCさん。売却益が500万円ありましたが、この特例を利用した結果、譲渡所得税はゼロになりました。

 

 

●まとめ

ポイントを押さえれば怖くない

 

不動産売却は人生の大きなイベントですが、流れを知っておくだけで安心して進められます。

まずは目的を整理する

複数社に査定を依頼する

自分に合った媒介契約を選ぶ

内覧対応で印象アップを狙う

税金の特例も確認しておく

最近は、オンライン相談やリモート内覧など、新しいサービスも増えています。時代に合わせた便利な方法も取り入れながら、自分にとってベストな売却を実現しましょう。

「売りたいけど不安…」という方も、一歩踏み出してみることで、想像以上にスムーズに進むはずです。